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Message - Redefine Sustainability

「サスティナブル」の再定義

日本有数の秘境であり、日本有数の豪雪地。尾瀬よりもさらに山深い「奥尾瀬」とも言えるこの地では、山とともに暮らすことは当然のことです。尾瀬十帖周辺の山々は、見渡す限り、この地に住んでいた58人の共有地で、通称「58 組合」の山と呼ばれています。
各所に山菜採り禁止の看板が立っていますが、それは今も58人を受け継ぐ人々が山とともに生き、山を生業としているから。故・開高健氏と地元の人々の10年以上に渡る活動によって、1981年には北ノ川が水産資源保護法に基づく「保護水面」に指定され「永年禁漁区」になりました。これは日本でも極めて珍しいもので、ここ奥只見・銀山平では山菜を採りすぎないのは当然のこと。時にクマや鹿を撃ち、生態系のバランスを保っています。
一言で表すならば「自然保護活動に積極的」「マタギ文化が今も残る地」ということになるのでしょうが、私たちが感じているのはもっと深い「文明と原始の融合」する特別な土地。都市文明と大自然がバランスよく共存するオアシスなのではないかと考えています。
『10 Stories Hotel OZE 尾瀬十帖』のある奥只見には、日本一の発電量を誇る奥只見ダムがあります。完成は昭和34年。実は関西電力の黒部第四ダムよりも完成が1年早く、しかも発電量の多い日本一のダムです。発電量が大きい、それは周囲の自然環境のスケール感が桁違いであることを現し、奥只見ダムの上流には巨大な水瓶である「尾瀬」があります。
「世紀の難航時」であったのは黒四ダム同様で、もし『黒部の太陽」が「奥只見の太陽」であったなら、今、魚沼尾瀬ルートは外国人ひしめく、日本を代表する大観光地になっていたに違いありません。
しかし現実の奥只見、そして魚沼尾瀬ルートは、尾瀬のなかでも最も静かで、観光開発もされていないエリアになっています。原始の大自然があるかと思えば、日本の高度経済成長を支えた日本一のダムがある。黒部立山アルペンルートと同じく、ダムがなければ作るわけがない長い長いトンネルがあり、しかもこちらは黒部立山アルペンルートと異なり、マイカー規制もなく一般車が通行できるのです。
この地でつくづく思うのは「サスティナブル」とはなにか?ということ。高度経済成長から観光開発、自然保護、そしてオーバーツーリズムといった様々なテーマを黒部立山と比較しながら考えることはもちろん、土地に暮らしてきた人々と開発の歴史、その複雑な背景を知ることは、SDGs の具体的事例を学ぶことにほかなりません。正解はどこにもありません。だからこそ人間社会は面白く、明日に向けて悩む価値があります。一方で自然はいつも変わらず、水が湧き、木はそこに立ち続け、雨が降り、今日も耳をつんざく雷が鳴ります。私たちは宿泊施設をリアルメディアと捉えていますが、初めての施設「10 Stories Hotel UONUMA 里山十帖」を開業したのは2014 年のこと。

コンセプトは「Redefine Luxury」、ラグジュアリーの再定義でした。それから10 年を経て開業する「10 Stories Hotel OZE 尾瀬十帖」のコンセプトは「Redefine Sustainability」、サスティナビリティの再定義。尾瀬を歩いて自然と触れ、スパ&サウナから真っ赤に燃える夕陽を眺め、原始を感じる料理を食べる…。
1 泊ではこの自然環境は理解できません。銀山平の凄さも伝えきれません。最低でも2泊、できるなら3泊、4泊していただき、「サスティナブル」とはなんなのか、そして今、私たち人間が何をしなければならないのか、滞在中になにかを感じていただければ幸いです。

岩佐十良

Creative director

1967年、東京・池袋生まれ。武蔵野美術大学でインテリアデザインを専攻し、在学中の1989 年にデザイン会社を創業、のちに編集者に転身。2000年に雑誌「自遊人」を創刊し、編集長に。2002年、日本全国の美味しくて安全な食を提供する「オーガニック・エクスプレス」をスタート。
2004年には日本の主食である「お米」を学ぶため、活動拠点を東京・日本橋から新潟・南魚沼市に移転。2014年、同県同市に「里山十帖」を開業。以後、「講大津百町」(滋賀県)、「箱根本箱」(神奈川県)「松本十帖」(長野県)を開業。ライフスタイル提案型複合施設やローカル・ガストロノミーという新たなジャンルを開拓する。